現引きは買い付け代金を支払う


差金決済とは、反対売買することで生じた差額(利益や損失、金利や手数料など)だけを投資家と証券会社の間で決済する方法です。 つまり、買い建てしているときは、その建玉を売り返済し、売建しているときは、建玉を買い返済します。 差金決済のメリットは、受渡代金全てを支払う必要がなく、売りから入ったときでも、株券を調達する必要がないところと言えます。 もう一つの決済方法は、現物決済と呼ばれるものです。 現物決済には、買建てしているときは、買い付け代金を支払って株券を引き取る現引き、売建しているときは、同一銘柄の株券を渡す現渡しの2つに分かれます。 ここではアイディーユーを使って買建玉を差金決済したときの損益を計算してみましょう。 計算しやすいように、委託保証金率は30%、手数料は片道500円、買い方金利は年率2%、所得税と住民税は決済した段階では差し引かれないものとします。




10月19日に30万円で10株を買建てしました。 このときの建て代金は300万円になり、委託保証金として必要なのは最低90万円です。 株価は順調に上昇し、1週間後の10月25日には40万円で売り返済して、100万円の利益をあげることができました。 実際には往復の手数料1000円と7日分の買い方金利1150円の合計2150円が利益から差し引かれます。 このケースでは、現金を用意していれば、元手をほぼ2倍にすることができたわけです。 信用買いの決済には、買建て代金や買い方金利、買建て手数料などを証券会社に支払って現物株を引き取る現引きという方法があります。 それではどのようなケースで現引きをするのでしょう。 例えば、時価700円の銘柄Aを5000株買い建てたとします。 株価が800円に上昇したとすれば、ほとんどの投資家は現引きするより反対売買して50万円の利益を確定するはずです。 ところが、思惑が外れて短期で600円まで下落して売り返済すると50万円の損失が確定します。



ここで、少し待てば株価が戻るかもしれないという見通しが建てば、建て代金の350万円と経費を支払って現引きする手もあります。 ただし、50万円の評価損を抱えていることに変わりはありませんし、保有株をズルズル塩漬けになるだけです。 あとは代用有価証券にあてる以外に使い道がないことは肝に銘じておいてください。 ところで、株式分割の権利を取るときに現引きを使う方法もありますが、現在は買建玉のまま権利が取れるように制度が変更されています。

信用取引で売建しているときは、反対売買のほかに現渡し(品渡し)という決済方法を使うことができます。 これは売り建て玉と同じ銘柄、同じ株数の現物株を証券会社に引き渡すことで、借りた株を返済するものです。 現渡しにはツナギ売りという賢い利用方法があります。 ここでは、信用取引の仕組みを掘り下げ、実際の売買に活用できるように解説していきます。 まず具体的な計算式を紹介します。 計算結果は取引画面に自動表示されるため、多くの投資家はこれに頼りがちです。 しかし、実際には自分で計算できるようにならないと、正確な投資計画をたてることはできません。


つまり、いつまでも勘に頼った売買に終始し、建玉管理の精度は一向にあがらないということになるのです。 株価が上昇基調にあるときは、それほど神経質になる必要はないかもしれません。 しかし、株価が暴落したり、波乱展開になったときには、ポジション管理ができないとせっかくの儲けを吐き出してしまうことになります。 リスク管理という側面からも、計算式を正確に理解するようにしましょう。

さらに、データの味方や使い方を紹介します。 市場や個別銘柄の動きと、証券取引所や証券金融会社が発表するデータの関係を売買に活用することができるようになれば、腕前はかなり上がったと考えて良いでしょう。 また、規制にスポットライトを当てていきます。

規制という言葉には良い印象はありませんが、この規制と発表されるデータにも密接な関係があります。 この関係を理解しておけば、規制の時期を予測できるようになり、規制を逆手にとったワンランク上の株式投資ができるようになります。