業績見通しとレシオについて


日経平均が暴落したときのロング・ショート手法については、レシオの根拠を過去の株価に求めるという意味で統計的な手法といえます。 これに対して、業績面に注目して組み立てるロング・ショート戦略を富士通(6702)と沖電気工業(6703)を例にして紹介しましょう。 第三四半期を終える年末頃には、報道などで各社の通期業績見通しが、ぼんやりと見えてきます。 富士通は、サーバーの価格競争激化などで利益が圧迫されるものの、通信機器やHDD、半導体、携帯電話などが健闘し、通期業績は会社計画を上振れしそうな勢いです。 一方の沖電気工業は、通信キャリアや半導体などが想定以上に厳しく、来期の業績回復シナリオすら描けない状態です。




そこで、これまで以上に業界での優劣は明確になり、富士通と沖電気のレシオは少しずつ拡大すると読みます。 12月5日終値のレシオは1.98倍となり、翌日の寄り付きで富士通を2000株買い建て、同時に沖電気を4000株売り建て。 予想通り年初からレシオは徐々に拡大し、3月2日には2.5倍まで広がりました。 この傾向は継続する可能性はありますが、両建てにかかる金利を考え、建玉をいったん3日の寄り付きで決済すると合計40万2000円の利益確定ができました。 ロング・ショートの積極的な実践方法として、新興市場の小型株の売り建てと大型株の買い建てを行うトリオトレーディングを紹介しましょう。



2005年9月の日経平均株価は堅調な上昇トレンドを描く一方、日経JASDAQ平均は軟調に推移していました。 新興市場などの小型株から東証一部の大型株へと資金シフトが起こっていたからです。

こうした局面では、日経平均の指数寄与度の高い銘柄を買建し、資金が流出しそうな業種を売り建てする売買手法が有効です。 さらに、ヘッジをかけながらトリオトレーディングを使って短期売買で儲ける方法を説明しましょう。


8月19日、中長期的な視点でエムティーアイ(9438)を27万3000円で10株買い建てました。 9月前半までは株価は値上がりして推移していましたが、後半には東証一部の主力株に資金が流れたために新興市場は崩れ、値幅調整を余儀なくされました。 それでも、株価上昇のシナリオは捨てきれず、ツナギ売りをしたいのですが、同銘柄は貸借銘柄ではないため新規売りができません。 そこで、エムティーアイは継続保有する方針で、9月15日にJASDAQの主力銘柄である楽天を9万100円で50株売り建てし、東証一部主力の三菱UFJを115万円で2株買い建てしてヘッジします。 その後値幅調整後の上昇局面などで決済することで、合計266万5000円の利益確定となりました。

トリオトレーディングは銘柄の組み合わせ次第で、投資の幅が格段に広がるのです。 さらに、インターマーケット・スプレッド・トレードの注意点を整理しておきます。

最初に挙げられるのが、すぐ約定に結びつく株価で、しかも同株数の注文が執行できるかどうかです。 買いは売り気配、売りは買い気配で約定できますが、自分が売買したい株価で株数が揃わないと裁定取引にはなりません。