委託保証金維持率の低い証券会社


建玉の目安としては、信用建て余力の総額に対して50〜60%に収まっていれば、余程のことがない限り対応でき、効率的な投資をすることができると考えて下さい。 今度は委託保証金維持率です。 これは単に維持率とも言って、委託保証金(現金+代用有価証券)が信用建玉に対して、どの程度の割合にあるかを示すものです。 先に説明した委託保証金率と言葉が似ているので、混同しないようにしてください。 維持率は、信用取引をする上で非常に重要です。 建玉が含み損を抱えたり、代用有価証券が値下がりして委託保証金が減ったりすれば、維持率も下がることになるからです。 具体的な計算方法はこれから説明します。 法律では維持率の最低ラインを20%に定めています。




つまり、いくら相場の変動にさらされても、20%以上の委託保証金は維持し続ける必要がありますよということなのです。 最低委託保証金維持率は証券会社ごとに定められています。 SBI証券は30%、楽天証券では20%、松井証券だと25%です。 この点は信用取引口座を開設するうえで非常に大切ですから、比較する際には必ず確認しましょう。 維持率は委託保証金÷建て代金で求めます。 実際には、前日の終値を基準に取引画面に表示されますが、自分で計算できるようにしておくべきです。 例えば、信用取引口座を開設している証券会社の委託保証金率は30%、最低委託保証金維持率が20%としましょう。 委託保証金には現金300万円を使い、銘柄を2000円で4000株買い建てしたとします。 このときの維持率は37.5%になります。



十分ではありませんが、20%まではまだ余裕があります。 ところが株価が350円も下落して1650円になったとしましょう。 すると140万円の含み損を抱え、委託保証金は160万円に減り、維持率は最低ラインの20%まで一気に低下してしまいました。

維持率は計算するときには、当初の建て代金が基準であって、値下がりした評価額ではないことに注意してください。 ところで、委託保証金率は常に一定ではありません。


信用取引が過度に利用されたり、相場が極端に過熱したりすると、証券取引所は何らかの方法で株式相場の沈静化を図ります。 その一つが委託保証金の引き上げです。 例えば、委託保証金率が10%上がると、信用建て余力はどう変わるのでしょうか。 当初の資金は300万円、委託保証金率が30%であれば、信用建て余力は1000万円です。

安全で効率的な投資をするためには、建玉は信用建て余力の50〜60%が理想的ですから、このときでは500〜600万円までなら問題はないでしょう。 ところが、10%上がるだけで余力は750万円になり、30%のときに比べて250万円も減ってしまいます。

信用取引の正体はテコの原理と説明しましたが、保証金率と建玉の基本的な関係が理解できれば建玉管理の第一段階はクリアです。