MSCBの転換完了で株価が上昇


2005年3月期の売上高は133億円、経常利益2100万円。 株価は1株純資産の540円を割り込んだ位置にあり、大株主は日本ガイシ。 この背景なら倒産する可能性は低く、20日の寄り付き369円でリバウンドを狙うと、週明けは急反発して始まり421円で売却。 52円の値幅がとれた計算になります。 暴落後のリバウンド狙いは、短期に徹することが肝心なのです。 MSCBという資金調達方法は、株価に連動して転換価格を下方修正できる転換社債です。




MSCBが発行されると、借株を利用した売りで株価はいったん下がり、その後上昇するケースが多いため、相場の動向を注視すべきです。 蛇の目ミシン工業(6445)は2005年6月23日、当初の転換価格143円で総額25億円のMSCBを発行しました。 ところが、その直後に全額引き受けたドイツ証券は、143円で計算した株数の2倍以上の4067万株の大量保有報告書を提出。 これは、ツナギ売りを目的に大株主などから借りた株を短期で売却したために、株価が下落したものと思われます。



株価はシナリオ通り低迷し、転換価格は125円に下方修正されました。 株価は8月8日に131円をつけてトリプルボトムを形成し、31日には転換完了が報告されてしばらくするとトレンドラインは上昇に転じます。 ドイツ証券の売却完了が9月20日付けの大量保有報告書で確認されると、トレンドラインは下押ししたものの、その後は大きく上放れたのです。

MSCBの発行企業の株価は転換完了と同時に売り圧力が急減し、下値リスクも小さくなります。 こうした局面では、レバレッジ効果の大きい信用買いの好機となる場合が多いものです。


目先の業績向上が期待できなかったり、業績が低迷していたりすると、株価はディスカウントされて底ばいの状態が長く続きます。 ところが、このような企業は、内部留保中心の経営をしていることが多いため、含み資産が大きく、PBRは1倍(解散価値)を下回り割安な状態に放置されていることがあります。 多少の悪材料が出ても破綻する心配がなければ、下値リスクは限られ、信用の売り方は買い戻すしかありません。 売り残が多ければ多いほど、株価のリバウンドに妙味が出てくるわけです。 福山通運(9075)は、折からのWTI原油価格高騰やディーゼルエンジン車の規制が大きな負担となり、経営を圧迫していました。

しかし、同社は2005年の9月に229億円の転換社債(償還期限20年、利率0.1%)を発行して安定資金を確保すると、不安は遠のきました。 前期末の1株あたりの純資産は674円。 11月4日には、9月中間決算で大幅な厳格修正を発表しましたが、株価は悪材料に反応薄。

それどころか、8日になるとレンジ高値を更新してしまいます。 15日には買残120万株に対して売り残218万株の超のつく売り長の状態で、売り方の買い戻しを原動力にした典型的な踏み上げ相場となったのです。