ナンピン買いのテクニックと手法


ナンピンの買い下がりは、中長期投資の戦略であって、短期での決済が前提の信用取引には向いていません。 したがって、東急建設のような相場展開のときに、信用の買建てで儲けるためには、チャートで底打ちしたことを確認し、トレンド転換してから買い出動すべきなのです。 転換社債を転換請求したときや、公募・売り出しに応募して株券が確実に手に入るときなど、実際に株が売れるまでの価格変動リスクを回避するために使うのがツナギ売りです。 公募や売り出し株は通常、時価より5〜10%程度安く、しかも売買手数料なしで買うことができます。




ただし、売却できるまでには約2週間もかかるため、公募株を買ったときには上がっていたのに・・・とがっかりしてしまうケースもあります。 したがって、公募・売り出しをする会社が貸借銘柄のとき、売却可能日以前にツナギ売りをして、株券が口座に入った段階で渡し株をすれば、利益を必ず確保できます。 具体例を、アーク(7873)で説明しましょう。 2005年9月14日、同社は申込日9月29〜29日、払込日10月7日、売却可能日10月11日の要項で、300万株の公募増資を発表しました。 27日には公募価格が5422円に決定。 そこで、公募増資に応じて500株を買ったとします。



最終申込日の29日終値6250円でツナギ売りをすれば、41万円の利益を確保できたことになり、結果的に売却可能日に利益確定するよりも有利だったわけです。 売り建ての経験がない方は、リスクの小さい公募増資で売り建てを試してみてはいかがでしょうか。

2005年までは、子株が還流してくるまでには約2ヶ月間待たなくてはなりませんでしたが、現在は制度が変更されて、権利落ちして4営業日後に子株が還流してきます。 期間は短くなっても、空白期間があることに変わりはありませんから、分割権利落ち直後にツナギ売りをして、利益を確保しておくことは有効な売買テクニックと言えるでしょう。


このときのツナギ売りも現物株が確実に手に入りますから、売買の手順は公募株のときと変わりません。 問題は、実施するタイミングと株価です。 地合いがそれほど悪くなければ、分割権利落ちして株価の水準が下がると買いやすくなり、一時的に人気化しますから、ここを狙えば良いでしょう。 また、分割幅が小さいときには親株の分だけ利益確定し、子株は保有持続という戦略も考えられます。 チャートは、分かりやすいように、子株還流までの期間が制度変更前のフジ・メディア・ホールディングス(4676)です。

3月26日に分割権利落ち日を迎えると売り残が急増。 約2ヶ月経過した6月1日には売り残が急減して、ツナギ売りだったことがわかります。

このときは逆日歩が発生しましたが、発行株式数が多かったため、それほどの負担にはなりませんでした。 今度は、現物株を持ったまま、同じ銘柄を売り建てするツナギ売りについて説明します。 現物株を長期スタンスで保有していても、その銘柄が急上昇して一時的に過熱した状態になったり、相場全体の地合いが悪化したりすると、保有持続か判断に迷うときがあります。