日経平均が急落したときにどうすればよいか


日経平均が急落したときには、指数連動性の高いハイテク株(東芝など)が売られても、ベータ値の低い薬品株や電力株で損失をカバーできます。 また、割高な銘柄から割安銘柄に乗り換える発想から、同一業種で割高なもの(ソニーなど)を空売りし、同時に割安株(三菱電機など)を買い建てる手法もあります。 日経平均が急落したときに採用する投資手法にはいろいろありますが、前述の投資戦略をペアトレーディングといいます。 業種が違っても、環境次第では割高なハイテク株のソニーを空売りして、割安な鉄鋼株を買うなどの手法も有効です。




割高な銘柄を空売りすると同時に、割安な銘柄を買い持ちする投資手法をロング・ショート戦略といいます。 これは、絶対利益を追求するためにヘッジファンドが利用する代表的な運用手法ですが、パフォーマンスを向上させるには、中長期スタンスで投資資金が大きいほど有利になります。 なるべく多くの銘柄で売りと買いの建玉を持った方が、リスクの管理がしやすく、運用成績は安定するからです。 ロング・ショート戦略のなかでも、中期保有を前提にした2銘柄間のペアトレーディングでは、空売り銘柄にポジティブな材料が突如発表されて株価が急上昇すると、ペアの損益は一気に悪化します。 これは1銘柄あたりのリスクが高過ぎるからです。



ロング・ショートの基本は、投資銘柄を複数に分けることでリスクの分散の効果を得ることです。 したがって、現実的に資金量の小さな投資家が、1銘柄ずつのロング・ショート手法で成功し続けるには難しいはずです。

より実践的なのがトリオトレーディングですが、この売買手法は後ほど詳しく解説します。 ここで、レシオ(スプレッド)を使う株取引の手法を紹介しましょう。 割安銘柄と割高銘柄の株価はいずれ修正されるという観点から、レシオは銘柄Aの株価÷銘柄Bの株価で求めます。


そして、過去の水準から見て、レシオが拡大し過ぎたら縮小し、縮小し過ぎたら拡大に向かうという習性を利用して、日経平均が急落したときの立ち回りを考えるわけです。 たとえば、銘柄Aと銘柄Bの株価はどちらも相場全体の上昇局面では買われ、逆に下落局面では売られる性質があり、レシオは過去の経験から大まかに1.5〜2.0の間で推移しているとしましょう。 銘柄Aが1000円、銘柄Bが500円のときのレシオは2です。 これからこの数値は縮小することが予想されるため、2銘柄間で割高な銘柄Aを1000株売り建て、割安な銘柄Bを2000株買い建てします。

このときには、市場の影響を受けないようにするため、約定金額はできるだけ揃えるべきでしょう。 その後、銘柄Aは700円、銘柄Bが450円に下落したとするとレシオは1.555に低下し、そろそろ手仕舞うタイミングとなります。

銘柄Aは30万円の利益、銘柄Bは10万円の損失となり、差し引き20万円の利益確定となるわけです。