日証金残高の速報値から株価を読む


投資家が決済しなければ建玉は強制的に反対売買されることになります。 さらに、反対売買しようとしても返済が成立しなければ、証券会社の定める方法で返済されるのが一般的なルールです。 また、返済期日が定められると、一部の証券会社を除いて、一般信用取引での新規建てができなくなります。 余談になりますが、ある銘柄が監理ポストに移行すると、同様の措置がとられるケースがあります。




一般信用取引は、投資家と証券会社の間で返済期限、品貸料、権利処理の方法などを自由に決めることができるため、制度信用取引とは扱いがことなるポイントも多くあります。 一般の個人投資家が利用する制度信用取引は、一部の例外を除いて、売建ても買建てしても自動的に証券会社を経由して証券金融会社に貸し株や融資を申し込んでいることになります。 証券金融会社は、貸し株の残高である貸株残=売り残、融資の残高である融資残=買い残を定期的に発表しています。 このうち、日本証券金融のデータを日証金残高といいます。



日証金残高の速報値は大引け後に発表され、ネット証券では当日の夜20時頃に更新された情報を見ることができます。 翌日の日本経済新聞の朝刊でも日証金残高は掲載されますが、あくまでも取引が活況な一部の大型株にとどまっているため、保有銘柄の詳しいデータを知りたいときは、証券金融会社のホームページで調べましょう。 ちなみに、日証金は、主に東証で取引される銘柄を、大証の銘柄は大阪証券金融がそれぞれ取り扱っています。

日証金残高でもう一つ大切なのが、品貸料、いわゆる逆日歩です。 今度は、3市場信用取引残高について説明しましょう。 3市場とは、東京、大阪、名古屋の各証券取引所を指します。 東京証券取引所は、前の週の各市場の信用取引残高を取りまとめて、翌週の火曜日に概算を発表しています。


このほか、制度信用取引残高、一般信用取引残高も同様です。 3市場信用取引残高は、市場ごとの売り残と買い残の金額ベース、株数ベースの増減を知ることができるため、市場全体の状況、つまり、需給関係をつかむのに役立ちます。 たとえば、相場の安値圏で買い残が増加してくるようなら、相場に先高観があると読んでいる投資家が多いと判断できます。 反対に、高値圏で買残が増加するようなら、買建玉が反対売買される可能性が高まることから、相場の天井が近いという考え方ができるわけです。

また、相場にあまり変動がないときでも、買残が直近のピークに比べて大きく減少してくれば売り圧力は低下し、売り残がピークを更新しても、相場が上昇に転じれば、買戻し期待が膨らむことになるのです。

3市場信用取引残高は対局を把握するのに役立ちましたが、個別銘柄の需給動向、つまり、個別銘柄の信用取引残高もチェックしておかなければなりません。 各証券取引所が前週分を第2営業日(火曜日)の大引け後に公表する個別銘柄の信用残は、信用取引で売買する上でもっとも重要なデータといえます。