追証は追加証拠金の略です


最低委託保証金維持率を割り込むと、追加証拠金(略して追証)を差し入れなければなりません。 これは委託保証金に対して、建玉が多すぎることを意味します。 委託保証金維持率は終値を基本に計算するため、いったん追証が発生すると、翌日に株価が値上がりして維持率が回復しても、追証の差し入れを免れることはできません。 しかも、株価がさらに下落すると、連日の追証という事態にもなりかねないのです。




追証は、発生した日の翌々日の正午までに入金しなければならないため、資金的な余裕がなかったり、うっかり忘れていたりして期限までに入金できなければ、証券会社は全ての建玉を強制決済します。 強制決済とは、全建玉を任意に反対売買して弁済することです。 しかも、それに伴う損失は全て、投資家が負担しなければならず、その損失が委託保証金より多いと、不足分の差し入れを証券会社から要求されることになり、二重の痛手を被る恐れがあります。 このように書くと信用取引は危ないと感じるかもしれませんが、余裕をもった建玉管理をしていれば追証を心配することはありません。 最低委託保証金維持率は上回っていても、委託保証金が不足すると、証券会社から現金の差し入れを求められることがあります。



これを追加担保といいます。 たとえば、委託保証金が現金で500万円あるときの信用建て余力は約1666万円です。 このうち1000万円を買建てして220万円の評価損が発生すれば、維持率は28%に低下。

最低委託保証金維持率の25%は下回っていないものの、委託保証金率の30%には満たなくなっているため、30%になるまでの不足額、つまり20万円の追加担保を証券会社かた任意で求められるようになります。 また、建玉を損切りしたとき、約定日に最低保証金率の30%を満たしていても、受渡日に維持率が30%を切っていると不当引き出しに当たるため、現金を決済に使うことはできません。


新たな現金を追加担保として差し入れる必要が出てきます。 追証が発生すると、委託保証金まで回復義務が発生して建玉の大幅変更を迫られますので、追加担保の段階で対応するようにしましょう。 代用有価証券にしている現物株が分割権利落ちすると、一時的に担保不足に陥る恐れがあります。

子株が還流するまでの4営業日だけ、代用有価証券から外れてしまうからです。 したがって、信用建て余力を一杯に使っていなくとも、株式分割によって担保不足が生じないか事前に計算しておくべきでしょう。 とりわけ、大幅分割のときには気を付けなければなりません。

無期限信用取引で建玉した銘柄は、株式分割などの権利処理が必要になると、制度信用銘柄とは異なる分割処理が行われます。 権利処理価格は各証券会社の規定に沿って決められますが、ネット証券では返済期限が設定されてしまい、無期限ではなくなることが多いようです。 返済期限が設定されると、期限の前営業日までに現引きを含む建玉の決済が求められます。