代用有価証券の掛目の引き下げ


信用取引の利用が行き過ぎて株式相場が過熱すると、投資家保護の観点ばかりでなく、市場の健全性が危うくなります。 そこで、証券取引所は全ての信用取引の代用有価証券の掛目の引き下げ、委託保証金率の引き上げなどを段階的に行って、市場全体を規制します。 規制強化の際には、そのときの金利や市場の動向、経済の状況なども考慮することは言うまでもありません。 バブル経済で日経平均株価が天井知らずの上昇を続けていた1987年には、代用有価証券の掛目は70%から段階的に50%まで引き下げられ、時価の半分にしか評価されない厳しい内容となりました。




現在の80%という掛目は、実は株式市場がバブル崩壊の影響から暴落に見舞われていた1990年10月5日以降にとられた特例措置なのです。 一方、委託保証金率が30%から50%に引き上げられると、100万円の建玉に対して、委託保証金は30万円で済んでいたものが、50万円も用意しなければなりません。 ちなみに、1988年のピーク時には、70%まで引き上げられたこともあります。 過去の東証の全面規制強化後の相場を検証すると、1次規制に対しては、一時的な下落はあるものの、その後の株価は上昇しているケースが多いようです。



現物取引で即金規制される場合は、買いのときだけなのです。 IPO銘柄は、個人投資家を中心に非常に人気が高く、ネット証券では上場初日から無期限信用取引で売買できることも多いため、注文が殺到し、数日にわたって初値が付かない状況が多発しました。

そこで、上場初日に寄り付かないときには、過熱感を和らげるために、2日目以降、初値が付くまでの間は即日現金による購入だけを認め、過剰な人気の沈静化を図ることがあります。 現状では、上場初日に株価が付かなければ、翌日から即金規制となるケースがほとんどです。 ただし、寄り付いた翌日からは解除されます。


もう一つが上場銘柄への買い規制です。 ジャスダック市場の銘柄に対して、即金規制となるケースがあります。 これは単一銘柄への過剰な注文に集中によるシステムトラブルの発生を未然に防ぐために、即日現金決済が行われるものです。 ジャスダックの判断基準は、1000株単位の銘柄で、出来高が1億株以上の売買が行われると警告を発し、それでも沈静化しない場合は、2段階で規制が強化されます。 信用取引で儲けるためには、株価が買値より15%値上がりしたら利益確定、5%値下がりしたら損切りするというような自分なりのルールを決めることが求められます。

しかも、目先の損失に関係なく、決めたルールは徹底するのが原則です。 信用取引は基本的に短期売買が前提ですが、せっかく細かなルールを決めても、それが機能しなければリスクは大きくなるばかりです。

また、買値から2%の値下がりでロスカットするというような、遊びの全くないルールは無理が生じて長続きしません(デイトレードは例外)。 したがって、ご自分の売買ルールを再確認してください。